先に3Dプリンターの活用にて、生産技術としての活用イメージについて事例を述べましたが、そもそも3Dプリンターとはどんなものなのかを整理し、今後の活用検討の一助としたいと考えます。
3Dプリンティングは、もともとはAM(Additive Manufacturing;アディティブ・マニュファクチャリング)という技術の一つであり、3次元のものをある一定の厚みの2次元データ(層)に分割し、各層毎に積層造形することにより、もとの3次元形状を再現する技術ということができます。
積層技術としては、光造形法、粉末焼結法、熱溶解積層法、インクジェット法、粉末固着法(石膏積層法)などがあり、積層技術に応じて使用できる材料も得意・不得意があるようです。使用材料としては、樹脂材料では 現時点、ABS、PP、PS、PE、PVC、PETなど、金属材料としては、鉄、ステンレス、チタン、金、銀、その他、石膏等 があります。
各積層方式について簡単に説明すると下記のようになります。
①光造形法は液体状の光硬化性樹脂(エポキシ系、アクリル系)を入れたプールにレーザービームを当て硬化させ積層する方式です。(サポート材有)
②粉末焼結法は敷き詰められた粉末(ナイロン樹脂、セラミック、銅、チタン等の金属)にレーザービームを当て焼結させ積層する方式です。(サポート材無)
③熱溶解積層法は熱可塑性樹脂(ABS樹脂、PLA樹脂、ナイロン樹脂等)を細いノズルの先端から押出し積層する方式です。(汎用性有、家庭用3Dプリンター向き)
④インクジェット法は樹脂(アクリル系樹脂、ABSライク樹脂、ポリプロピレンライク樹脂等)をヘッドから吹き付け、紫外線で硬化させながら積層する方式です。(積層ピッチが小さく(16ミクロンや14ミクロン)も存在する)
⑤粉末固着法(石膏積層法)は材料の粉末(樹脂、金属、石膏等)とバインダ(接着剤)を交互に吹き付けて積層する方式です。
3Dプリンターについては昨今の市場拡大に呼応し、日々、積層技術の性能向上、また、使用材料についても多様化してきており、目が離せない状況です。
以上を参考に、生産技術業務における3Dプリンターの活用用途に合わせた、機種選定の方向性検討等の支援・指導がコンサルティング対象となります。
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