工場のレイアウト検討の際に活用されるものにアクティビティ相互関連図表(Activity Interrelationship Diagram)があります。
アクティビティ相互関連図表は、工場やオフィスのレイアウト計画において、各アクティビティ(出入り口、資材搬入口、部品倉庫、仕掛品倉庫、部品加工、組み立て加工、製品倉庫など)の相互関係(特に近接性)を分析・検討するためのツールです。
アクティビティとは、出入り口、資材搬入口、部品倉庫、仕掛品倉庫、部品加工、組み立て加工、製品倉庫、工具室、計測室、洗面所、事務所、食堂など、工場の構成要素をさします。このアクティビティ同士が、相互にどの程度結びつきが強いのか(=場所の近接性が必要になるのか)を分析するために作るのが、アクティビティ相互関連図表です。
アクティビティ相互関連図表は、具体的には、以下のような手順で作成されます。
1.アクティビティのリストアップ:レイアウトに関係するすべてのアクティビティをリストアップします。
2.相互関係の評価:各アクティビティ間の近接性の必要性を評価し、アルファベット記号(A、E、I、O、U、Xなど)で表します。例えば、Aは「絶対必要」、Eは「特に重要」、Iは「重要」、Oは「通常の強さ」、Uは「重要でない」、Xは「望ましくない」といった具合です。
3.理由の記入:近接性の理由を数字の記号で記入します。例えば、1は「物の流れ」、2は「コミュニケーションの必要性」などです。
4.図表の作成:評価結果をもとに、アクティビティ相互関連図表を作成します。
この図表を用いることで、どのアクティビティが近接して配置されるべきかを視覚的に把握することができ、また、効率的なレイアウト設計が可能となり、生産性の向上や作業効率の改善が期待できます。
例えば、製造工程において、部品の整備室エリアと組み立て加工エリアが密接に関連している場合、これらを近くに配置することで効率を高めることができるわけです。
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