バリ取り加工技術
- shigeokumata
- 2022年12月27日
- 読了時間: 3分
更新日:2023年3月19日
バリ取り( Deburring)とは、製品や部品に発生したバリを除去し、品質を向上させたり、使用中に問題が発生したりしないようにするために行われる追加工です。
ここではバリ取りの方法についてを主体で解説します。バリを発生しにくくする加工などについては別途紹介したいと思います。バリ取りの方法には、大きく機械的方法と砥粒加工方法の2つがあります。
順に説明すると・・
<機械的方法>
機械的バリ取方法とは、加工機や工具などを用いて機械的な接触によりバリを除去する方法です。
・加工機によるバリ取り
バリ取り加工機では、専用のブラシを回転させ、ベルトなどを用いて自動で部品を送り込んだり、作業者が手作業でブラシに部品を押し当てたりします。またNC加工機などでは、切削の後に、刃物やブラシなどのバリ取り専用ツールに工具を持ち替え、加工と同時にバリ取りを行うケースもあります。これらは比較的大きな設備を用いて行われる方法ですが、このようなケースはそれほど多くはありません。
・工具によるバリ取り
バリ取りの現場で最も多く用いられているのは、刃物やハンドツール、ブラシなどを用いた手作業での除去です。バリは必ずしも同じ場所に同じように発生するわけではありません。そのためすべての加工品に絶対にバリ取りを行う必要がないことや、段取りなどの手間が少ない点などがメリットになります。しかし安定的にバリが発生する状況では、作業工数がかかるのがデメリットになります。また手作業でのバリ取りは作業中に加工品を傷つけてしまう可能性もあります。
機械的方法は除去率が高く、確実にバリを取り除けるのがメリットです。しかし、工程ごとにワークの姿勢を変えたり、ツールを変えたりするなどの手間が発生します。
<砥粒加工>
砥粒加工もバリ取りの代表的な方法です。バレル研磨やショットブラストは、一般的には磨き加工(研磨)という位置づけですが、砥粒を吹き付けたりぶつけたりする際にバリを除去する効果があるため、バリ取りの目的で行われるケースもあります。
・バレル研磨によるバリ取り
金属切削加工の後加工としてよく見かけるのはバレル研磨です。バレル研磨については以前にも紹介していますが、簡単に言うとバレル研磨機は洗濯槽をイメージするとわかりやすいです。加工物と液体、砥粒を入れた容器を回転させ、加工物同士や加工物と砥粒がぶつかる力を利用してバリを除去するものです。
・ショットブラストによるバリ取り ダイカストや鍛造加工工程の後処理としてよく見かけるのがこのショットブラストです。ショットブラストは、加工物の表面に砥粒を吹き付ける加工です。砥粒が加工物に生じたバリにぶつかり、バリを除去します。磨き加工と兼ねることができ、工程集約できるのがメリットですが、加工物表面に傷や打痕が発生したり、加工物の角がダレたりするなどのデメリットもあります。
・流体研磨(砥石流動加工)によるバリ取り
流体研磨(砥石流動加工)方法は、モンブランのペーストを絞り出す様子をイメージするとわかりやすいです。砥石を含んだ粘弾性のあるポリマーを、圧力をかけながら部品の内部に通過させます。主に筒の内部や穴のふちのバリを除去する方法で、複雑な形状の加工や硬い素材のバリも除去できるのが特徴です。一方で加工に時間がかかるなどのデメリットもあります。
バリ取り方法には、他に、プラズマや炎でバリを焼き取る熱的加工法、薬品でバリを溶解す化学加工法、電解研磨などの電気化学的方法などがあります。
(以上、ネット情報を引用し、整理しました。)
(参考ブログ)

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