top of page
shigeokumata

ESD対策のあり方

更新日:6 日前

 電気・電子部品などの組付け等におけるESD(Electro-Static Discharge:静電気放電)対策の基本についてコメントします。


 ESD対策(静電気放電対策)について、コメントする前に基本的な内容として述べると、「静電気」と「一般的な電気」との違いは、とどまって動かない=帯電する電気が「静電気」のことで、「一般的な電気」は導線を伝って流れて動力源として働きます。ところが、とどまって動かない静電気は、帯電量が大きくなり電気の流れやすい物体がそばに近づくと、「放電」という現象が発生しトラブルとなります。電気・電子部品などの組付け工程における素子の静電破壊などがこれに当たります。また、引き付ける力もあるため、「吸着」という現象でもトラブルとなってしまいます。これも組付け環境における異物付着というような不具合の原因になるものです。


 これらのトラブルを発生させないようにあらかじめ行うのがESD対策となりますが、その対策の基本的な考え方、進め方について列挙すると以下のようになります。


1.アース(接地)を取る

 静電気対策の基本は発生した静電気を留めておかず、アースする(大地に逃がす)ことです。帯電する可能性のある導体はすべてアース線から大地につながるようにします。 静電誘導に対しても、アースすることで電荷のバランスが保たれます。

 組付け工程等での、静電対策マット(アース付き)、アースバンド、静電対策床等の対応がこれになります。


2.電位差を作らない

 アースを確保できない場合はこの方法です。帯電する可能性のある物と静電気に弱い機器を短絡することで、二つの物質は静電気的には一つの物質になり、電位差が生じなくなります。結果的に電荷の移動がなくなり帯電しなくなります。


3.静電容量を大きくする

 アースを確保できない場合のもう一つの方法です。静電容量の最も大きい大地(地球)とつながることができない場合、多少の静電気が発生しても放電にまで至らない容量を確保できる場合があります。ただし対策としては不確実であり、実際の現場での常用はおすすめできません。


4.中和する

 対象物が絶縁体の場合など、1~3の対策で効果がないときには、静電気除去機(イオナイザー)を使います。プラス・マイナスのイオンを吹き付け積極的に電荷の偏りを中和します。

 組付け工程などで、製品・部品に対し、イオナイザーを使って吹き付けする様子をよく見かけます。




閲覧数:22回0件のコメント

最新記事

すべて表示

Komentar


bottom of page