マイクロ波加熱について
- shigeokumata
- 2月10日
- 読了時間: 2分
先回、高周波誘電加熱についてコメントしましたが、その関連として今回は、マイクロ波加熱(Microwave heating)についてコメントします。
マイクロ波加熱とは誘電加熱とも呼ばれ、マイクロ波を照射することで物体中の水分子を振動させて温度が上がる現象を利用した加熱方法です。いわゆる電子レンジの加熱原理ということになります。
マイクロ波は、電場と磁場の変化を伝搬する波である電磁波の一種です。電磁波は、X線、紫外線、可視光線、赤外線、電波などに周波数(波長)の違いにより分類されます。電波の中でも周波数300MHzから300GHz (波長にすると1mから1mm)の電磁波がマイクロ波と呼ばれています。
マイクロ波を用いると誘電体に直接エネルギーを伝えることができるため、加熱対象自体が従来加熱における熱源のように振る舞うことになります。つまり、従来加熱とは違って、加熱対象より高い温度の熱源は不要なため、プロセス面でも、装置面でも、これまでの加熱法では得られなかった効果が期待できます。
IEC(※)によるとマイクロ波加熱は、「誘電体を主として分子運動とイオン伝導によって熱を発生させて加熱することである」と定義されています。実際は、マイクロ波で加熱できるものは誘電体だけではありませんが、ここでは狭い意味でのマイクロ波加熱について述べています。
(※)IECとはIEC規格のことです。IEC規格とは、電気・電子に関する国際規格を標準化する団体であるIECの定める規格のことです。IEC規格は、各国間の輸出入や安全性の確保に対して一定のルールを設けることを目的としています。IEC規格は、JIS規格やISO規格とは異なり、電気・電子に特化した規格であるという特徴があります。

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