近年、CFRP、NFRP、GFRP等、FRP(Fiber-Reinforced Plastics)に関連し、繊維(Fiber)を扱った加工技術が脚光を浴びつつある中、その関連技術、応用技術のための基本技術である抄紙技術(しょうしぎじゅつ、Papermaking Technology)について若干コメントします。
抄紙技術とは、紙を作るための技術です。紙の原料である繊維を水に浸し、繊維を分散させた後、簀桁(すけた)ですくい上げることで、紙の原型を作ります。その後、紙のにじみ止めを塗布し、プレスして紙の密度を上げ、平滑性を加え、光沢をつけることができます。
抄紙機には長網抄紙機と円網抄紙機があり、円網抄紙機では、ワイヤーを張った円筒を槽の中で回転させ、水頭差によって繊維層を形成し、厚みのある紙をつくることができます。
この抄紙技術は、従来から様々な用途に活用されています。例えば、ペーパ電子デバイスとしてフレキシブルエレクトロニクス用の基板の作成や、排ガス浄化装置への適用(セラミックス粉末にパルプを加えた原料を、抄紙技術により、シート状にすると、紙のように細孔をもつ多孔質体を形成できるため、多孔質の構造特性によって排ガスと触媒との接触機会が増えて、反応効率が高まる)などが挙げられます。
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