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単層カーボンナノチューブ

 今回は、先日開催された名古屋プラスチック工業展2024(2024年11月20日~22日、ポートメッセ名古屋)で確認でき、近年クローズアップされてきている新素材、単層カーボンナノチューブ(Single-walled carbon nanotubes)についてコメントします。(以下、ネット情報から引用)


 もともと、カーボンナノチューブ(Carbon Nanotube : CNT)は、炭素原子(C)だけでできたチューブ状のナノ素材です。日本で発見された先端材料であり、鋼の20倍の強度、銅の10倍の熱伝導性、アルミの半分の密度、シリコンの10倍の電子移動度を持つと言われています。


 単層カーボンナノチューブは、グラフェンシートをチューブ状に丸めた炭素の同素体で、金属性や半導体性などの特性を持ちます。


単層カーボンナノチューブ特有の性質を下記に列挙します。


①機械的特性:個々の単層カーボンナノチューブは、スチール(鋼)よりも格段に高い強度を有しています。SWNT(Single-walled nanotube)の引っ張り強度の計算値は、同じ重さでは(重量は16分の1)スチールの約100倍に達します。


②電気的特性:各単層カーボンナノチューブの電流容量は109 amp/cm2で銅または金より高く、半導体性SWNTの電子移動度は、シリコンより高い値を示します。


③光学的特性:単層カーボンナノチューブは特異的な光吸収応答性および蛍光応答性を持ち、カイラリティ(※)ごとに特有の吸収および蛍光スペクトルを示します。

 (※)カイラリティ(: chirality)とは、ある現象とその鏡像が同一にはならないような性質のこと。


④熱的特性:単層カーボンナノチューブの室温における熱伝導度は、既知の材料の中でも熱伝導度が最も高いと一般に考えられているダイアモンドまたは面内方向のグラファイトの値に匹敵します。


 単層カーボンナノチューブは、充填剤重量の0.001%から効果が表れ始め、材料特性(機械的強度、電気伝導性、熱伝導性等)を強化すると言われています。


 用途としては、ポリマー複合体、ゴム、金属、電池、熱可塑性樹脂など多数に用いられ、大部分の用途においては製造工程に変更は不要とのことです。


 この素材については、今後、様々な分野に活用が期待されており、中小製造業においても目の離せない存在になるものと考えられます。




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