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熱硬化性樹脂の成形

 熱硬化性樹脂(thermosetting resin)は、プラスチックの一種で、熱を加えて化学反応を起こし、硬化する特徴を持っています。一度固まった樹脂は再度熱を加えても柔らかくなりません。このため、電子レンジに入れて使える製品やプラスチック製のたばこの灰皿などが熱硬化性樹脂で作られています。


 熱硬化性樹脂の成形方法としては、圧縮成形やトランスファー成形が一般的で、射出成形はごく一部に限られています。熱硬化性樹脂は、成形後に再び溶解して使用することができないため、耐熱性に優れ、たわみや歪みに対する耐性もあります。


 射出成形の場合は、樹脂材料を射出成形機のシリンダー内で加熱させ、溶融した樹脂を金型側に射出する手法です。熱硬化性樹脂は熱を加えると固まる特性なので、成形機より金型側の温度が高くないと成形品が出来上がりません。成形材料を金型内に投入した後、金型温度を約150℃に加温し、材料は一瞬溶けて液状になりますが、その後は加熱による化学反応で固化します。


 熱硬化性樹脂には、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂などがあります。




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